平成19年に施行された「がん対策基本法」を受け、これまで様々ながん対策のための活動が、
厚生労働省を中心に行われてきました。
こうした活動の効果や方向性についての評価も重要で、成人のがん患者さんについては、厚労省から依頼を受けた国立がん研究センターの研究班が、患者体験調査として、調査を実施しています。(全国のがん診療連携拠点病院から無作為に選ばれた施設を、平成24年に受診した患者さんが対象。がんではない方にも実施しています)
この患者体験調査にならい、小児がんの患者さんやご家族に対しても、同様の体験調査を行うことが今後検討されています。
2018年7月3日、国立がん研究センター中央病院(東京・築地)で、意見交換会が開かれ、各種小児がん親の会、そして守る会の皆さんが集まりました。LCH患者会からは、1名(依田)が参加しました。
簡単な自己紹介の後、センターの先生方から、調査の概要についてのご説明があり、その後、成人患者さんに対して実施されたアンケート用紙をもとに、小児(あるいはご家族)を調査対象とすることで、質問項目で工夫が必要なところや検討しなければいけないところはどこかなど、親の会、守る会、そして先生方より、とても活発な意見交換が行われました。
LCH患者会としては、こうした機会は初めてであり、かなり緊張する時間でもありましたが、小児患者さんに対する調査がより有意義なものとなるためにも、親の会の意見は重要だという先生方の姿勢がひしひしと伝わってきて、嬉しくもなりました。
LCHは、他の小児がんと治療や経過が似ている部分もありながら、他の疾患ではほぼ見られないような経過をもつ患者さんも少なくありません(経過観察のみでの自然治癒例など)。アンケートに対する印象は、他の会のご意見と共通する点もあれば、この内容だとLCH患者さんの課題を必ずしも反映できない、というものもありましたので、その点は検討をお願いしたい点として伝えさせていただきました。LCHのような希少疾患が、調査対象の中でもどれだけいらっしゃるか分かりませんが、今後のアンケート作成において、何らかの参考になっていればいいと思います。
体験調査の実施はまだ先になるかと思いますが、それまで何回か意見交換会があるかもしれませんので、お声がかかれば、また参加させていただければと思います。