10月6日(金)、LCH患者会役員4名は、成人患者さんの診察、ご相談でいつもお世話になっている東京大学医科学研究所付属病院血液腫瘍内科の東條有伸先生にご同行していただき、今回の陳情について患者会と厚労省難病対策課の間に入って、事前の聞き取りをして、面談をセッティングしてくださった衆議院議員輿水恵一さんの事務所(衆議院議員会館)で、難病対策課の方に「LCHを国の指定難病にして下さい」と陳情書を提出しました。
以下は、陳情書の最後に記載した、患者会からの要望です。

以上のことから、成人LCHが国の指定難病として認められ、下記の項目が実現できることを強く希望します。
a.      指定難病になることにより、各診療科にまたがっている患者の実態を把握し、その病態を調べLCHの研究が推進され、すべてのLCH患者が適切な診療が受けられるようにしてください。
b.      成人LCHの治療ガイドラインの作成を早期に実現してください。
c.      小児LCH患者の小児慢性特定疾患から指定難病へのスムーズな移行を可能にしてください。
d.   
在成人LCHは肺LCHのみ難治性呼吸疾患・肺高血圧症に関する研究班における研究対象となっています。しかしLCHは血液疾患であることと発症部位が多岐にわたることから(当患者会では骨病変72.2%、内分泌38,9%、肺22,2%の順です)、血液内科医を中心とした成人LCHの研究班を作ってください。 

 約40分間の面談で、厚労省としては、『LCHは「がん登録」の対象疾患で「がん」とみなしているから指定難病の対象にはならない。』と説明されました。これに対し、東條先生から、『LCHは医学的には「前がん病変の腫瘍」ではあるが、「がん」ではないのですよ。』との説明があったのですが、厚労省側からは、『腫瘍のくくりはかえられないので、行政的にはLCHは難病としての位置づけとはならない。』と返答されました。
2日前に国際組織球症学会(シンガポール)から帰国されたばかりの東條先生からは、『LCHの研究班について、LCHは全身性の病気だから小児、成人、肺などと分けるのではなく、くくり方を変えて組織球の病気としてまとめて診断、治療、研究をした方が良いです。(海外ではそのように進められているそうです。)』また、『がんの新しい治療薬として知られている分子標的薬の治験が海外ではLCHでも始まっているが、日本はまだです。』とのお話しがありました。(12月の患者会総会でも、LCH研究会の先生方から新しい情報が聞けると思います)厚労省の方からは、『研究班については、今後はがん対策のほうで考えることになるから、今日の話の内容をがん疾病対策課にあげておきます。』と言われました。
患者会としては、今後は、LCHの研究班の設立をめざして陳情を続けていきますので、ご支援よろしくお願いいたします。
今回の陳情でたいへんお世話になりました、群馬県難病相談支援センター相談員 川尻洋美様、衆議院議員 輿水恵一様、秘書の中村様、東條有伸先生、群馬県議会議員 水野俊雄様、本当にありがとうございました。

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